宮城の
伊達な杉とは

What About

木は
エコマテリアルです。

金属やプラスチック、ガラスなど「材料」のことを英語で「マテリアル」といいます。

環境問題に直面している現在、地球環境と調和しながら人類が発展していくために、この「材料」も新たな進化をとげていく必要があります。従来の技術や製品を変えるためには、それに使われている材料がまず生まれ変わらなくてはならないという考えのもと、日本の材料研究者の議論の中から「エコマテリアル」という概念は生まれました。

エコマテリアルは、Environmental Conscious Materials(環境を意識した材料)から生まれた造語で、「優れた特性・機能を持ちながら、より少ない環境負荷で製造・使用・リサイクルまたは廃棄でき、しかも人に優しい材料(または材料技術」と定義できます。

エコマテリアルとして最も分かりやすい素材の一つに「木材」があります。

木材は再生可能な生物素材です。成長の過程で光合成によって空気中の二酸化炭素を固定しながら酸素をつくりだすなど私たちの生命を支えています。日本の森は、国土の約7割、2千5百万ヘクタールもあり、このうち4割の1千万ヘクタールは人が植林した人工林です。木を伐って使えば、森に手が入るようになって健康になります。人工林は、手入れをしないと健康に育たないとも言えます。戦後の植林が十分に材齢を積んだ今、木をたくさん使うことは私たちの使命です。

建築資材の製造時エネルギー

自然乾燥の木材に限らず、合板や人工乾燥材であっても「木質系の建築材料」は製造時エネルギーが少なくて済むことがわかります。木は地球にやさしい素材なのです。
出典:大熊幹章地球温暖化防止行動としての木材利用の促進

森が
その木を育てます。

日本の家は、木と紙と土で作られてきました。日本人は昔から生活に木を利用してきました。使えない木や枝は薪として燃料に利用し、伐った後は必ず植林して育ててきました。

日本において総理府が平成10年に行った世論調査によれば、全体の34.8%の人が「日本の誇りは美しい自然である」と回答しています。日本の国土は温暖な気候と適度な降水量の条件の下、四季の自然に恵まれています。

下図では森林の面積比率は非常に高いことが判ります。「循環型社会」を目指す日本では、恵まれた自然と共生しながら生活することができます。

国土面積と
森林面積

「Sustainable Development in Germany」EPA-Germany, 2000によれば、地球 の1日で熱帯雨林は55,000ha(1ha=10,000m2)ずつ消失しているといいます。

資料:FAO「世界森林統計」他より環境省作成
出典:『平成13年度環境白書』環境省編

我が国の用材の木材供給量と
自給率(丸太換算)

わが国の最近の木材需要量は、8千万〜9千万m3程度で推移しています。外材の占有率が8割と高く、国産材の自給率は2割程度です。

林野庁「木材需給表」より
※用材の供給量を丸太換算したもの

森は
空気をつくります。

1ヘクタールの森林は、人間4人分の酸素を供給しています。

地球温暖化の原因とされている人工的に排出される二酸化炭素を光合成によって定着し、酸素を生み出す森を守ることが、温暖化対策に有効だと言われています。

2008年〜2012年は、先進国などに対して温室効果ガスを1990年比で一定数値を削減することを義務づけた京都議定書(気候変動枠組条約第3回締結国会議(COP3)に定められた公約年です。主要国の削減率は、日本6%、米国7%、EU8%、カナダ6%、ロシア0%などとなっていて、全体では5.2%の削減を目指したものとなりました。

植林した木を放置し続けると木は死んでしまいます。また、木は成長するにつれて二酸化炭素の吸収量が落ちてきます。森や木に手を加えないことが自然保護だと思われていますが、それは再生の難しい熱帯雨林の話です。

植林によって人工的につくられた日本の山では、間伐によって木を間引き、伐採しないと森は荒れてしまいます。木はある程度成長したら世代交代をさせる。つまり、伐ったら、植えるというサイクルが大切なのです。

日本の杉の林齢分布(1齢級は樹齢5年)

いま日本の山には、樹齢35年〜50年生の建築材料としての利用に最適な木材がたくさんあることが分かります。

出典:林野庁計画課、経営企画課調べ
平成14年3月31日現在における森林法第5条及び第7条の2に基づく森林計画対象森林の「立木地」の面積

森林による年間平均炭素吸収量(1haあたり)

木は「光合成」によって空気中の二酸化炭素を定着し、酸素をつくり出しますがその能力は樹齢とともに低下することがわかっています。
成長した木を伐った後は必ず植林し世代交代をすることによって森は甦ります。

森林総合研究所(温暖化対応推進拠点)のデータより作成

森は
水をつくります。

狭い国土の日本では森を守らなければ洪水や渇水になり、米などの農作物を得ることができなくなります。植林は狭い国土を守る日本人の知恵でした。日本人は昔から森に美しい水が蓄えられることを知っていました。

戦争中に日本の木は使い切られ、森がなくなりはげ山化したため、各地で洪水や土砂崩れなどの災害が続きました。戦後国策として30〜40年で成長する、杉やヒノキなどの植林が進められ、近年になってようやく森が甦りました。

しかし、その後手入れのされないまま多くの森は荒れたままになっているのが現状です。

森は海の恋人と言われます。
森の地面にしみ込んだ雨や雪は、落葉などで濾過され栄養分を取り込みながら川へ流れ、海に至ります。そして、そのきれいで栄養豊富な水は海の生物を育てます。森が荒廃すると、川や海の水が汚れ生物にも影響を与えます。

栗原市
松島町
伊豆沼

地産地消
「宮城の伊達な杉」

環境にやさしい木材を利用することで森をよみがえらせて、林業の復活を図り、治山治水によって美しい国土を守ることが国をあげて進められています。

宮城の「伊達な杉」は、江戸時代の仙台藩(初代藩主 伊達政宗)領土で育った杉です。県産材の利用で「地産地消」と環境保全が図れます。

「伊達な杉の家」では、この「伊達な杉」の赤太土台、赤太柱を使います。

樹齢50〜70年の杉の根本部分で直径約24cm以上の赤身の芯材を使用します。

製材は、世界初の製材機による高精度高効率加工で、樹皮は人工乾燥の燃料、端材はチッパーキャンターで製材と同時にチップにして、隣接する製紙工場に製紙原料として提供しています。循環型の資源である「木材」を余さず全部使う工夫です。また、ネオドライと呼ばれる、世界初の乾燥技術で木材の芯まで乾燥し、乾燥のあと高精度の修正挽きとインライングレーディングをおこなっています。

安政3年(1856年)の旧伊達藩知行地

赤太土台・赤太柱とは...

樹齢約50年〜70年の杉で根元部分の樹齢約50年〜70年(1、2) の径約24cm以上の赤身の心材を使用した土台・柱です。

伊達な杉の木取り

中央の正角は赤身の芯材。木材を余すことなくすべて使い切ります。

NEOドライ乾燥とは?

従来の乾燥材と比べ芯まで乾燥できるために割れや狂いが生じにくい。

プレカットまでの流れ